私の尊敬する経営者の一人である、JリーグのV・ファーレン長崎社長 高田旭氏が、来年1月1日をもって退任することになりました。
財務状況が悪化し、チームが消滅するかもしれないという窮地で2017年に社長を引き受け、見事な手腕で経営を立て直し、J1昇格を果たしました。
2018年に戦ったJ1の舞台では惜しくもJ1残留ならず、2019年はJ2で戦い、2020年もJ2で戦うことが決定しています。
ですが、日本一のサッカークラブを決める天皇杯ではベスト4に残っており、年末の準決勝で難敵・鹿島アントラーズを倒せば、2020年の元旦に新国立競技場のこけら落としとなる決勝戦を戦うことになります。
今回は、私が名著:ビジョナリー・カンパニーを通じて感銘を受けた「BHAG」について、髙田旭社長の功績を絡めながら、ご紹介します。
BHAGとは?-社運をかけた大胆な目標-
今回ご紹介するBHAGは、名著 ビジョナリー・カンパニーの中で出てくる言葉です。
BHAGは、次の言葉の頭文字をとった言葉です。
Big…大きな
Hairy…困難な・危険な
Audacious…大胆な
Goals…目標
つまりは、社運を賭けた大胆な目標です。
本書の中では、ボーイングの民間ジェット機への参入や、フォードが誰でも買える自動車を作る、という目標を掲げ、それに向かって邁進したことが語られています。
BHAGは、組織の強力な進歩を促進する仕組みです。
BHAGはただの目標ではない。大胆で、難しいからこそ意味がある。
目標といっても、それがありきたりのものでは意味がありません。
たとえば私の会社でもそうですし、ひょっとするとこの記事をご覧になられているあなたの会社でもそうかもしれませんが、「今年の目標は、売上を前年比◯%にすることだ!」なんていう目標が、年始に掲げられたりすることはないでしょうか?
私はそんな目標を掲げられる度、うんざりしていますw
これはただの営業目標であって、BHAGではありません。
たとえそれが数字上難しいもの、たとえば「前年比で倍にしろ」というものであってもです。
端的にいえば、ワクワクやドキドキがなければ、BHAGとはいえません。
従業員のやる気を引き出し、困難を乗り越えた先に、個人を、そして組織を一段高いステージへの導く、社運をかけた大胆な目標、それがBHAGです。
口に出すと照れくさい言葉ですが、BHAG=夢と置き換えてもいいのかもしれません。
髙田旭社長がV・ファーレンに、そして長崎にもたらした夢
さて、BHAGについて簡単に掴んで頂いたところで、髙田旭社長について触れていきます。
J1で戦ったのは昨年一年限りでしたので、彼が社長を務めるV・ファーレン自体は、まだ全国的には有名なチームとはいえないかもしれません。
ですが、高田社長は長崎のみならず、我々のような他チームのサポーターにも絶大な人気を誇っています。
彼はおそらく私が知る限り、一番アウェーに参加しているJクラブの社長です。
そして彼がすごいのは、アウェーの地でアウェーのサポーターとふれあい、長崎に来てもらうよう営業をしつつ、他チームのスタジアムイベントや運営などから多くを学んで、それをスピーディに自分たちの運営に活かすところです。
加えて彼は、あの語り口で夢を語っています。
勝っても負けても変わらないものを、自分たちクラブスタッフだけじゃなくて、ファン、サポーター、県民含めてすべての人が持った時に、日本一、世界一のクラブになるんじゃないかと。決して不可能なことじゃないと私は思っているんです。
https://real-sports.jp/page/articles/311016083614074013
そして現在、V・ファーレン長崎のメインスポンサーであるジャパネットグループは、すべて自己資金で税金に頼ることなく、ハード面でもこの夢を実現すべく、新たなスタジアムの建設を進めています。
総工費500億円超の新スタジアムを中心とした一大施設を築き、V・ファーレンを世界一のクラブにする
ジャパネットにとっても、V・ファーレンにとっても、まさにBHAG=社運を賭けた大胆な目標です。
あくまで参考イメージですが、ワクワクがすごい。
まとめ:経営者の仕事=夢を描き、伝え続けること
先日のホーム最終戦で行われた髙田社長のスピーチがとても素晴らしかったので、ぜひご覧下さい。
「夢を語らずに、人がついてきますか?」という一節が、私はとても好きです。
経営者の仕事は、夢を語ることで皆を引っ張っていく、そして出来ると信じて仲間に発破をかけ、それを実現していくことなんだなと、このスピーチを見て改めて思いました。
私自身はしがないサラリーマンですが、何かこの先 チームや組織を引っ張っていく立場になったときには、この姿勢を大事にしていきたいです。
そして普段の投資においては、BHAGを掲げて、大胆な挑戦に挑んでいる企業を応援していきたいですね。
今回もご覧頂き、ありがとうございました。
記事を更新していく励みになるため、ぜひ応援のクリックを頂ければ幸いです。にほんブログ村