先日、人魚の眠る家を鑑賞しました。
とても心に残る、そして考えさせられる作品でしたので、多くの人に見てもらいたいと思い、ブログに残しておきます。
人魚の眠る家 概要
この作品の原作は、あの東野圭吾さんです。
実はわたしは前知識ゼロでみたので、エンドロールで初めて原作者が東野圭吾さんであることを知ったのですが、さすが東野圭吾作品と言いたくなるような、観終わったあとに少し世界観が変わるような、心にずっと残り続ける作品です。
人魚の眠る家 ストーリー概要
薫子(篠原涼子)は、長女の瑞穂(みずほ)と弟、そして母親の千鶴子(松坂慶子)の4人ぐらし。
技術会社の社長を務める夫の和昌(西島秀俊)とは、彼の浮気が原因で別居をしており、離婚寸前。
ある日、家で仕事をしている薫子を残し、千鶴子と2人の子どもたち、そして薫子の妹である美晴(山口紗弥加)とその娘が、仲良くプールに出かけるのだが…
長女の瑞穂がプールで溺れ、意識不明の重体という一報が薫子の元に届く。
病院に運ばれ一命はとりとめたものの、脳に重大な損傷が残り、長女の瑞穂はいわゆる「脳死」状態に陥る。
担当医の進藤(田中哲司)は、瑞穂がもう回復する見込みがないこと、そして、脳死判定による臓器提供を提案する。
しかし、瑞穂の回復という奇跡を信じたい和昌と薫子は、それを拒否。
そして、その奇跡を叶えるために、和昌の部下である星野(坂口健太郎)が開発を進める技術を用いて、瑞穂の体を電気信号で動かすという試みを進めていくのだが…
脳死を巡る、日本の現状
この映画の大きなテーマは、「人は何を以て死んだと判断されるのか、されるべきなのか」という問いです。
お恥ずかしながら、この映画を知るまで全く知らなかったのですが、現状 脳死判定をするにあたっては、臓器提供の意思表示が前提になります。
つまり現在の日本においては、2つの死が存在しているということになります。
■(臓器提供を前提とした)法的脳死判定による死
■心停止判定による死
これがどういう状況を生み出すことになるか。
もしご家族に不幸があったときに、その方が事前に臓器提供の意思表示をしていなかったとします。
すると残された家族には、
「まずは脳死判定をしてください。もし脳死判定が下されたときには、それから臓器提供をするかどうか考えます」
という選択肢は与えられないということです。
(臓器提供をするという承諾のもとで)脳死判定を行い、脳死が確認された際には、事前の承諾に基づき臓器提供が行われることになります。
同様に「脳死判定されたけど、やはり臓器提供をやめたい」ということも許されません。
人の死は心臓が止まったときなのか、脳が死んだときなのか
私には、二人の子供がいます。
もし子供たちに何かの不幸があって「脳死状態で意識が戻る可能性はない。移植という選択肢もあります」と言われても、冷静に判断することはできないと思います。
親として、奇跡を、回復を信じたい気持ちは当然です。
一方で、移植を待っている病気の子供たちも大勢います。
たとえば心臓移植の場合は、ドナーの体重が移植を受ける患者の3倍までという制限があります。
病気を抱えた子供の場合は体重も軽いことが多く、結果、大人の体重では規定オーバーになるということが多く、結果的に子供のドナーを待つしかないという状況です。
意識が戻る見込みがないなかで奇跡を待つべきなのか、助けを求めている子達のために臓器提供という選択肢を取るべきなのか。
こういった事態が起きないことを願えばこそ、このようなシチュエーションになったときにどうするのか、暗くて避けたい話題かもしれませんが、家族とは一度 話し合っておくべきなのかもしれません。
“人魚の眠る家”が我々に問いかけること
ちょうどこの映画を観終えた翌日、とあるイベント会場で海外での心臓移植を目指すお子さんの募金活動が行われていました。
これまでは、どこか他人事で素通りしてしまっていたのですが、この映画のことがひっかかり、大した金額ではないですが、募金をしました。
今はまだ免許証の裏の臓器提供の意思表示に何も書いていませんが、近い内に何らかの記載を行おうと考えています。
そういった意味で、この映画は私に「命、そして死と向き合うきっかけ」を提示してくれました。
普段は生きていることが当たり前で、命や死を考える機会に巡り合わせることはあまりないかもしれませんが、この作品が、生きていることのありがたさや尊さを考えるきっかけになれば嬉しいです。
“人魚の眠る家”が見られる動画サービス
U-NEXTでは初月無料で体験ができるのに加えて、人魚の眠る家などの最新作も入会と同時にもらえる視聴ポイントで見ることができるのでオススメです。
気になった方は、号泣必死の作品なので、ぜひ必ずハンカチを用意して、見てみてくださいね。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。パパパでした。
記事を更新していく励みになるため、ぜひ応援のクリックを頂ければ幸いです。にほんブログ村